クロノア「わふうまにゅあ」
ロロ「クロノアさんってかわいいですよね」
クロノア「はにゃ? 何言ってるのロロ。」
ロロ「言葉の通りです。」
クロノア「そう・・。ボクってかわいいのか・・・。」
ロロ「ええ。この気持ちもう限界です。どうにかしてください。クロノアさんのせいですよ。」
クロノア「え・・ボ、ボクのせいってボク何かした?」
ロロ「はい。今まで経験した事のない気持ちになりました。」
クロノア「なんだかよくわからないけど、どうしたら許してくれるの?」
ロロ「この気持ちをどうにかしてほしいです。」
クロノア「わかったよ。じゃあ・・・」
「キャッ!」
間髪容れずにクロノアはロロをベッドに押し倒す。
倒れたロロの上に覆い被るようにベッドに乗った。
ロロは引きつった表情でクロノアを見上げる。
クロノアの方も表情が乗り気といった感じがしない。
押し倒したわりにはあまりに不安そうな顔だ。
押し倒したはいいけど相手が私だとやっぱり嫌なの・・?
自虐心はロロの悪い癖だ。
だが、クロノアの表情は露骨にためらいの色を見せている。
「あの・・クロノアさん?」
ロロの上に覆い被さって見下ろしてたままストップしたクロノアにとりあえず声をかけてみる。
ポプカにおしえてもらった気持ちのよいこと・・。
それをクロノアとするためにポプカに話術もおしえてもらった。
案の定この状態に持ちこむことができた。
ただ、一つ想定外だったことはそれぞれの役割だ。
「ボクもよくわかんないんだけど・・・・最初はこうするんだよね!」

クロノアの唇が勢いよくロロの唇を捕えた。
急な事で身構える暇もなく、クロノアの舌がそのまま奥まで入る。
身構えてどうするのか、楽しまなければならない、
とっさにそう思ったロロはクロノアに身を任す。
クロノアの舌は歯列をゆっくりと巡回し、時折歯肉を愛撫する。
ポプカの話通り、快感が全身に溢れた。
胸の高まりが際限なく高まり、それとともに体温も上がり、顔を紅潮させた。
役割は違ったけど結果はよかったのかもしれない。
クロノアと眼が合う。
クロノアとの距離はは二、三センチといったところ。
こんなに近くでクロノアと体をくっつけあったのはあの日以来だった。
クロノアの顔からはさっきまでのためらいのうようなものは無くなっていた。
なんだかクロノアさんじゃないみたい・・
そんな野暮な想いが浮かぶ。
相手もそう思ってるだろう、野暮な事は考えなくていい。
自分で自分に言い聞かせて、感覚に意識をまかせた。

クロノアはゆっくりと顔を上げた。
クロノアの愛撫はいたって低速ではあったが、初体験のロロにはそれ
さえもハードだった。
これだけでロロの顔はすっかり汗で湿ってしまい、口からは小さく雨水が漏れている。
いや、相手がクロノアということもあるかもしれない。
自分がやれたらそれだけで十分恵まれていたと考えていたのに、
まさかクロノアからしてくれるとは夢にも思っていなかった。
一方クロノアも疲れてしまったのか、せきを切ったように息を荒げている。
もちろん、疲れたのではなく別の理由で息を荒げているということも考えられるが。
「なんだろう・・・。こんな気持ち始めだよ。」
クロノアが呟いた。
クロノアも紅潮し、汗で顔の毛が湿っているのがわかる。
なぜだか、クロノアに口を愛撫されていた時よりも鼓動が高まる。
「どんな気持ちなんですか?」
ポプカに言われた通り、相手を試すような感じで問いかけてみるが、
いざ声をだすと、緊張で声が震えてしまった。
クロノアは何も言わずに胸元に頬を下ろした。
胸が裂ける、そう思うほど胸が動いている。
クロノアは二、三回頬を揺って言った。
「こんな気持ち。」

「こ、こういう気持ちですか。」
「うん。」
最初は気持ちよさを楽しむなんて余裕がなかったが、
だんだんと胸が落ちついてくるのがわかった。
そうすると今度は快感が止まらなくなった。
ロロはさりげなく足を動かして、クロノアの足と絡ませる。
クロノアの下部とロロの下部が密着しあった。
「クロノアさんったらズボンを履いたまま泳いだみたいになってますね。」
軽い冗談を言って、クロノアの濡れているところを足で刺激してみる。
クロノアは体をブルッと震わせた。
「やっ、やめてよ・・・。」
ロロの手が勝手に濡れているところへとのびる。

「今更やめろなんて言わないでくださいよ。」
悪戯っぽく言って、挟みやすい形状になったクロノアの「物」を挟む。
そこから流れ出す「モノ」がズボンから染み出し、ロロの足を濡らす。
眼で見なくてもどのくらいの量で、どんな質かもわかる。
「ううっ・・・ふふ・・・。」
クロノアは眼を瞑り、にこやかな笑みを浮かべる。
その表情を見れば誰でもクロノアの心中を察することはできるだろう。
相手が気持ちよさそうな顔をしていると不思議とこっちも気持ちよくなる。
初体験でロロはそれを感じた。
クロノアは再び顔を下ろして、ロロの頬を優しく噛む。
「クロノアさんったら・・・。」
クロノアの甘噛に、快楽の笑みを浮かべながらロロが言った。
「だってロロの頬が噛みつけって言ってるもん。」
クロノアの牙が少し深く食い込む。
「あっ、もう・・クロノアさん動物みたい・・・。」
そう言ってクロノアの頬を摩る。

二人とも十分に満たされたらしく、クロノアは自然とロロの上から降りて、
そのまま横に寝転んだ。
それでも二人の興奮はすぐに収まる事はなく、しばらく呼吸は荒かった。
「まさかクロノアさんからくるなんて思いませんでした。」
何かをやりきった後のような気分。
すがすがしい気持ちで、天井を見ながらロロが言った。
「実はバルーのおじさんが女の子と喧嘩したときや仲違いした時はこうすれば絶対仲直りできるっておしえてもらったんだ。」
ロロは階段を一段踏み外した時のような、気持ちが落ちていくような感じにとらわれた。
「え・・じゃあクロノアさんが私とやった理由は・・。」
「ロロと仲直りしたかったからだよ。でもゴメン、やっぱり口で謝った方がよかったよね。」

クロノアと別れ、家に帰った。
何か腑に落ちなかったが、それでもロロはよかった。
「でも、成功したんだったらよかったじゃん。」
ポプカが気楽な口調で言った。
「うん。だけど本当は自分の意思で自分のやりたいことをするものなんだよね?」
ポプカは少し驚いたような顔でロロを見た後、鼻をかきながら言った。
「めずらしく読みがいいなぁ。そうだぜ、本当は。」
少し間沈黙が流れた。
沈黙の後、ロロが言った。
「もし今度機会があったら今度は全部自分の思った通りにやってみる。」
ポプカが二カッとした。
「だったら----予行練習といかねぇか?」
そう言ってロロに近寄る。
「そう・・しよっか!」

おわり