真っ白な空間に漂っている一つの影。
無重力空間の中で迷い続ける影がそこにあった。
どこへ行こうとしているのかわからない。
でもここからすぐに抜け出したいということだけは分かっている。
長い時間グルグルと回り続けたとき、出口のようなものが見えた。
華奢な体はその光の中へ吸い寄せられて、体中が光で満たされていった・・・・・・・・・


ハッと目を開ける。
視界は天井で満たされている。どうやら自分は仰向けに寝かされているらしい。
大きな台のような場所で自分は眠っていたようだ。
白っぽい照明が目を刺すような眩しさを放っている。
此処は一体・・・どこなんだろう? 不安が心をいっぱいにする。
開いていた右手をゆっくりと握る。 右手に怪我は無いようだ・・・。
開いていた左手をゆっくりと握る。 こちらも大丈夫なようだ・・・。
体は動かすことが出来るようなので、少しだけ安心した。
痛みはまったく感じていない。いや、感じることが出来ないだけかもしれない・・・。
でもそんな不吉な考えは捨て去るようにした。

(ボクは怪我なんかしていない。なんにも問題は無いはず・・・だから大丈夫)
心の中でそう呟く。 一旦目を閉じて、ゆっくりと呼吸をする。

(落ち着け、落ち着くんだ。まず考えよう。考えたりすることは苦手だけど、ひとまず考えることにしよう。)
息を大きく吸い込み、そして吐き出す。頭がボ〜ッとする。どれくらい寝ていたんだろうか。少し熱い。

(ボクは・・・・・・・・ボクの名前は・・・・・・・クロノア・・・・・うん、クロノアだ)
自分の名前は忘れていないようだ。そのことだけが小さな少年を安心させる。

仰向けのまま深呼吸をする。記憶が少しずつ鮮明になっていく。
記憶喪失・・・・ではないことが分かった。自分の記憶には殆ど傷が付いていない。大まかなことは分かる。
でも何故自分が此処にいるのかは分からなかった。一体何日前からここにいるんだろう?
数分前。数時間前。数日前。もしかして数年もたっている? いやいや、それはないだろう。
なんとなくだが、何年も眠っているということは無い筈だ。何故かクロノアには確信があった。
眠っていたとしても・・・おそらく長くて数日。1週間くらいかな? でも・・・・・どうしてこんな所に。


「いつまでも眠っていても仕方が無いや。 うんしょっ」
台のような上で、体をゆっくりと起こし、伸びをする。 その時、ふと気付いた。
いつもの・・・・・いつもの青い服を着ていない。
無地で青っぽく、薄くて柔らかい服を着ているようだ。
「誰が・・・・着替えさせたのかな?」 急に不安になってきた。一体誰が?
周りを見渡す。 クロノアは大きな手術台のような台の上で寝かされていたみたいだ。
少し広い部屋の中に、機械のようなものがたくさんある。他にもクロノアには分からないようなものがたくさんある。
「なんなんだろ、ここは? 機械みたいなのがたくさん・・・・・・機械・・・・機械?」

「もしかして・・・・僕をここに連れてきたのって」 
そのとき、その部屋の扉が開いた。ゆっくりとその扉の方向を見る。
緑色の服。全体的に丸い体型。間違いない。時々くだらない悪事を働いたりするあの自称科学者のガーレンだった。

「おや、お目覚めかい? クロノア君?」 不敵な笑みを浮かべたように見えたのは目の錯覚だったのか・・・クロノアには分からなかった。


「はにゃ? が、ガーレン? なんで・・・ボクはどうしてここにいるの? ここはどこなのさ?」
「おや? 覚えて・・・・いないのか? それは残念」



覚えてない? 何を? 一体何があったの? なにがおこってなにがだれがどこでなにを…したのか。
思い出せない・・・・・・・・いや、少しずつ何かを思い出しかけてきた。
頭の中の靄が晴れていく。少しずつ・・・輪郭がハッキリと見えていき、全体が明らかになる。

「あ・・・・・・」


あの時・・・ガーレンの研究所へ遊びに行こうと思って。
勝手にあちこちを見回って。外に出て・・・・瓦礫の山のような場所があって・・・・・・。
面白そうだから・・・・止める声も聞かずに・・・・近づいたら・・・・強風が吹いて・・・・・・山が崩れて・・・・。

嗚呼・・・そうだ。あの時ボクは・・・・ボクは・・・・下敷きになったんだ。
たくさんの…たくさんの・・・たくさんの・・・・・・・。
押し潰されて・・・大怪我をして・・・・どこかへ漂ってしまって・・・・・・・。
意識は無かったはずなのに覚えてる。すぐに抱きかかえられて・・・・・運ばれて・・・・・ここまで・・・。
じゃあ・・・ボクを・・・怪我したボクを・・・ガーレンが治してくれたってこと?
だからこうして・・・・・痛みや苦しみも無いのは・・・ガーレンが治してくれたから・・・。

「まったく・・・・ワガハイが止めたのにもかかわらずに、あんな所に行くからだ。
 まぁワガハイの世界一の科学力を持ってすれば、あの程度の怪我は、擦りむいた膝を消毒するくらいにしかならん。
 感謝するがいい、クロノア。ワガハイのおかげでこうして無事でいられるのだからな。
 全治1ヶ月くらいの怪我を、全治1週間ほどまで縮められたのだぞ。まさにワガハイの科学力のおかげだ!」

ガーレンは笑う。自分の優れた力を自慢するかのように高笑いをする。
普段なら嫌味な感じにしか捉えられなかったのだが、自分を助けてくれた相手に今は感謝の思いでいっぱいだ。

「わっふう。ガーレン・・・ありがとう。そういえばボクってどれぐらい眠っていたの?」
「ちょうど7日間だ。眠っているときの栄養や水分の補給はワガハイの機械たちの力で・・・」
「そんなに眠っていたんだ・・・。」
ガーレンの言葉が終わるまでに、クロノアは言った。

「体はもう大丈夫か? なにか違和感は無いのか? 痛かったり苦しかったりはしてないか? 気分は?」
「うん! 大丈夫だよ。そんなに心配しなくても大丈夫さ。もう平気だよ。」
クロノアは台から降りる。床のひんやりとした冷たさが、素足に伝わる。

「そうかそうか、それは良かった。本当に・・・・・」
ガーレンも嬉しそうに笑う。天使のような微笑みだ。
「でも・・・まだ少しだけ頭がぼうっとしてるんだ。これって大丈夫なのかな? なんか体中が少しだけ痒い気もする・・・」
「・・・・・・・・体が少しずつ馴染んでいってるんだよ。さ、別の部屋へ移動して、休むがいい。」

ガーレンはクロノアを抱き上げて、その部屋を出る。少し恥ずかしかったが、ガーレンに体を任せる。
「重くない?」
「ワガハイはそれほど貧弱ではないぞ」
「まぁ確かにガーレンよりかは軽いかな♪」
「失礼なことを言うものだ」
「ハハハハ!」

「ねぇ、ガーレン。ここまでしてもらったんだから・・・何かお礼をしなきゃ。なんでもするよ!
 普段はなにもしてあげられなかったけど・・・・ボクを助けてくれたんだから・・・ね?」
「礼か・・・・・・礼ならもうすぐしてもらうとしよう」
「?」
何をすればいいのか分からなかった。クロノアにできることといえば、なにかの手伝い、なにかの助手くらいにしかならない。
「家事くらいなら多分出来ると思うよ。料理は・・・・・ハンバーグって好き? ボク好きだからよく作るんだ。
 それからそれから・・・・う〜〜ん。ボクにできるお礼・・・・・・・・・・」
ガーレンは何も言わずに笑っている。嬉しそうな笑みだ。

やがて、部屋についた。大きめのベッドがある。寝室のようなところだろうか。
白っぽくて清潔そうなベッドだ。壁は赤っぽいピンク色。
照明は程よい眩しさだ。淡い光を放っている。

「いいお部屋だね。いつもここで寝てるの?」
「ああ、そうだ。」

クロノアを下ろす。まだ少々ふらついているが、問題は無さそうだ。

「ワガハイへの恩返しとやらは高くつくぞ。もっとも・・・嫌でもしてもらうがな」
「う、うん。別に構わないけど・・・・なにすればいいの?」
「すぐにわかる」

ガーレンはクロノアを抱き寄せて、そのままキスをする。
一瞬何が起こったのかクロノアは分からなかった。ただ、体中に電流のようなものが流れてきた。今まで感じたことの無い衝撃。
「わふ?! い、いきなりなにすんのさ!!」
「何って・・・恩返しに決まっているではないか」
クロノアは抵抗しようとするが、何故か力が入らない。力が抜けていく。
そんなことはお構い無しに、ガーレンはキスを続ける。ねっとりとした舌をどんどん進入させていく。
ガーレンの息は少しずつ荒くなっていき、その息がクロノアにかかる。
「随分久しぶりだからな。ゆっくりと楽しませてもらうぞ」

クロノアを大きなベッドの上に寝かせ、ガーレンは上着と靴を脱ぐ。
そして、クロノアに覆いかぶさる。
「や、やだ。やめてよ。」
「嫌でもしてもらう。そう言ったはずだぞ」

そう言うと、クロノアの服に手をかける。
柔らかくて薄いため、脱がせることは容易だった。
クロノアは何度も抵抗しようと試みたのだが、何故か体に力が入らない、
体の中で何か異常が起きてるのかもしれない。そう思った矢先のことだった。  自らの異変に気付いた。
上の服を脱がされたときだった。自分の胸に・・・膨らみがある。
クロノアの体は全体的に細く、余分な肉は付いていない。大胸筋が発達したわけではないようだ。
小さな膨らみが2つ。胸に付いている。目の錯覚かと思い、目を擦る。
しかし何度見ても、膨らみがなくなることは無い。そんな様子をガーレンは、じぃっと見つめている。
そっとそれに触れてみる。触れた瞬間、体がビクッと震える。
あまりの衝撃に我を忘れそうになる。

「なに? これ・・・・なんなの? ボクの体・・・・どうしちゃったの?」

ガーレンは何も言わずに、クロノアの下の服にも手をかける。
抵抗しようと思った。しかし、何故か出来なかった。
自分でも確かめようと・・・見なければいけないと思ったのだ。下半身の方にも異変があるのかと・・・。
クロノアのやや小さな・・・小さなちんちんが見えた。
良かった。付いていた。 妙な感じだったが、自分はまだ男であるという安心感があった。
いつのまにか下の服も脱がされて、あっという間に全裸となってしまった。

「可愛いぞ、クロノア。」
ガーレンはそう呟くと、右手でクロノアの片方の胸を揉み始めた。
ムニュッとした柔らかい感触。それを掴まれた瞬間、今までに出したことの無い声が出てくる。
股間が熱くなる。息が荒くなる。胸がドキドキする。顔が赤くなる。

その次にガーレンは左手でクロノアの股間を撫で始める。
柔らかい棒を撫で、揉み解して、棒とお尻の間の部分を撫でる。
さらに強い衝撃がクロノアを襲った。 今までに感じたことの無い感覚。
クロノアの棒は少しずつ起き上がり、ぴんっと勃った。
ガーレンは大きく息をしながら、全ての服を脱ぐ。柔らかく太い体が露わになる。
両手でクロノアの両方の胸を掴み、そのままキスをする。
クロノアの体が痙攣するかのようにビクッと震える。
大きな快楽の波に飲み込まれそうになるが、後一歩のところで踏みとどまる。
キッとガーレンを睨みつけるようにして、クロノアは叫ぶ。

「はにゃぁ・・・・や、やめてよ!! なにすんのさ?! 説明してよ! なんでこんなことするの!?
 ボクに・・一体なにをしたっていうのさ!! この胸は・・・・・・・・・なんなの?!」
クロノアは目に涙を浮かべている。声と体を震わせる。

ガーレンは一度体を起こし、そのままベッドの上であぐらをかくように座る。
クロノアも体を起こす。しかし力が入らないため、足を伸ばすようにしてベッドの上に座る。

「聞きたいのか?」
「説明してよ。ボクの体に何したの? お、女の子みたいになってる・・・胸が・・・・・」
「・・・・・性別はいくつあると思う?」
「へ?」
「性別だよ性別。世の中にはいくつあるとクロノアは思う?」
「ふ、2つ。男と女。2つに決まってるよ」
「3つだよ。男と女、そして・・・・・・・・・・ふたなり」

ふたなり? 初めて聞く言葉だ。男でも女でもない性別。

「なんなのそれ?」
「簡単だ。男と女、両方の性質を持った性別だ。 簡単に言うと、胸があり、股間の棒があり、そして・・・・」
ガーレンはゆっくりとクロノアの股間を指でなぞっていく。
「穴が付いている」
ガーレンはニィッと笑った。

「ボクの体を・・・・・その、ふたなりってやつに・・・・しちゃったの? なんで? なんで!?」
「・・・・・長いあいだ研究していたのだ。第3の性別のことを。そしてようやくその方法が分かってきた。
 意外と簡単だったよ。単純な仕組みだった。あとは、どうすれば作れるかだった。
 その矢先に、君が大怪我をした。実は命にかかわるかもしれない大怪我だったんだぞ。
 どうせならと・・・思い切って・・・してみたのだ。上手くいった。クロノアの怪我も治すことが出来た。
 なにを不満に思うのだ? 2つの性質を同時に持てるようになったのだぞ。 お得ではないか」
「だって・・・だけど。 こんなのって・・・・」
涙がポロポロとこぼれる。 両手で拭うが、少しずつだが溢れてくる。

「何か勘違いをしておらぬか? なにもそのままで一生を過ごさなければいけないというわけではないぞ」
「はにゃ? え? え?」
「一時的にその体にしているだけだ。元に戻そうと思えばいつでもすぐに戻せる。早とちりはよくないぞ」

途端に、クロノアの顔がパァッと明るくなる。涙も消えていく。
「じゃ、じゃあすぐに戻し・・・」
「ダメだ」

即答。遮られる。

「恩返しとやらをしてもらわねば割に合わぬ。ワガハイばかりが奉仕しているではないか。これでは不公平だ」
「で、でも!」
「『なんでもする』と言ったではないか。たまにはワガハイが良い目をみても罰は当たらないと思うが?」


(そうかもしれない・・・。もともと怪我をしたのはボクのせいなんだ。
 タダで治してもらって・・・助けてもらって・・・。お金だって・・・・かかったかもしれない。
 それに・・・・科学者としての夢の一つがかなったんだ。苦労したかもしんない。
 ボクは・・・勝手に怪我して治してもらって、誰にも持ってない体を体験して・・・もしかしたら随分、特をしてるのかも。
 すこしくらいなら・・・・・少しくらいなら・・・・・ボクがガマンしてあげてもいいかも)

「う、うん。それなら・・・ボクが出来ることなら・・・」
「うむ。ワガハイを楽しませてくれ」

ガーレンは舌なめずりするように笑い、そしてクロノアの上に覆いかぶさり、キスをする。
舌を進入させ、唾液をすする。そしてクロノアの首筋を舐めまわす。
クロノアは目をつぶり、プルプルと体を震わせる。その様子を眺めているだけでも興奮は高まる。

「次は・・・・『奉仕』をしてもらおうか」

股間をクロノアの口の辺りに持っていく。
ガーレンの棒は恐ろしいくらい、大きく膨らんでいて、赤黒いそれは生き物のように脈打っている。
触れてもいないのに、熱が伝わってくる。先っぽから透明な液が滴っている。

「これを・・・このちんちんをどうするの?」
「キャンディーにように舐めまわすのだ」
「え・・・・・・はにゃ! んぐっ!」

ガーレンはクロノアの頭を鷲掴みにして、棒を無理やり口に咥えさせた。
「歯は立てないようにな・・・・舌を使うのだ・・・・上手いぞ」

やり方はまったくわからないはずだ。なのに体が勝手に動く。昔から知っていたかのように。
ガーレンの棒は凄く熱くて、妙な臭いがした。しかし、何故か今のクロノアはそれを『おいしい』と思ったのだ。
それは一体どうしてなのかクロノア自身も分からなかった。
透明な粘液と唾液をゴクリと音を立てて飲み込み、息継ぎをする。
苦しい、でも気持ち良い。変な感覚が体を支配する。

「飲み込ませたいところだが今はガマンするとしよう。イクときは貴様の『あの穴』と決めているからな」
「はぁ・・・・はっ・・・・なんか・・・体がさっきからおかしいんだけど。なんで?」
「ふふふっ。ふたなりというのはな、感度が通常の何倍にもなるのだ。だからキスしただけであんな風に悶えてしまうのだ」

キスをしただけで体が溶けそうな感覚になってしまう。
なら、あの部分を突かれたとき、クロノアの体はどうなってしまうのか。予想など出来ようもない。

「今度は四つんばいになるのだ」

クロノアは黙って言うとおりにする。
柔らかくて綺麗なお尻をガーレンの方へ向ける。
ガーレンは後ろからクロノアを抱きかかえ、熱い棒を肛門に擦りつける。
その刺激で、クロノアの秘部から透明な液がダラダラとこぼれ落ちる。

「おいおい、まだ早いぞ。まだココを貫いていないぞ」


男には股間の穴が無い代わりに棒が付いている。
だから、男を相手に満足させるためには、肛門は重要な場所となる。
しかし、ガーレンには妙な拘りと目標を持っていた。
口、後ろの穴、そして股間の穴を順に犯していこうと思っていたのだ。
3つの場所を自分の肉棒で埋め尽くす事を以前から妄想していた。
理由があるとすれば、それは支配欲の一種なのかもしれない。

「痛いかもしれんが・・・・慣らすだけだ。すぐに終わる」
そう言うと、一気に棒を後ろの穴の中へ侵入させる。
「ふにゃ!! あぁ!! 〜〜〜〜〜〜!!!!」

あまりの痛みに意識が飛びそうになるが、強烈な快感がそれを許してくれない。
刺激によってクロノアの棒はどんどん大きくなる。股間からは液が滴り落ちる。
ガーレンの棒はギリギリとクロノアの後ろの穴に締め付けられる。

「やはり・・・キツイものだな」

予想はしていたが、あまりの締め付け具合に、これ以上この部分を犯していってもあまりメリットは無いと悟った。
棒を引き抜くと、クロノアをうつ伏せから仰向けにさせる。
クロノアはぜぇぜぇと呼吸をしながら、あまりの痛さに涙を浮かべていた。
恩返しのため我慢しようという気持ちと、快感を欲する気持ち、奉仕する喜びの気持ち、拒絶する気持ちがグチャグチャに混ざる。
しかしクロノアは気付いていた。もっともっと自分を犯して欲しいと。もっとその熱い棒が欲しいと。
自分が快楽の海に溺れる喜びを求めていることに。快楽を我慢する必要など無いと。

「待たせたなクロノア。いよいよ・・・コレを貫かせてもらうぞ」

ガーレンは体中を震わせている。体からの熱気が伝わってくる。
棒は先程よりも大きく膨張し、ヌルヌルとしている。
クロノアの股間も同じようなものだった。触ってもいないのに、棒は大きくなっており、脈打っている。
股間の穴からは液が溢れており、ベッドはバケツの水をこぼしたようになっている。
ガーレンは顔をクロノアの小さい胸に埋める。
両手はクロノアの背中に回し、ギュッと押さえつける。
無意識のうちにクロノアは足を広げ、両手はガーレンの背中と首に回す。
顔は自分と相手の体のほうに向ける。

「そうそう、言い忘れていた」
ガーレンは顔を上げて、クロノアの顔を見る。
「ふたなりというのはまだ不完全な状態で、生殖機能を持っていない。
 だから種を植えることも宿すこともできないというわけだ」
「はっ・・・はぁ・・・・うん。そう…なんだ」
「だから遠慮なく中で出せるというものだ」
意味は分からなかった。しかし、より気持ちいいということだけはなんとなくだが分かった。

意味は分からなかった。しかし、より気持ちいいということだけはなんとなくだが分かった。

「ハハハハッ! ワガハイのこの棒を・・・たっぷりと味わうがよい!」

そうガーレンは笑いながら言うと、熱く煮えたぎっている棒をゆっくりとクロノアの穴の中へと進入させていった。
ヌプッという音を立てて、ジワジワと進入していく。
その時クロノアに激痛が走った。純潔の証である扉を破ったときに起こる痛み。
透明な液に混じって、出血した血が流れてくる。
それと同時に、クロノアの男の部分である棒から、白い液が飛び出してきた。
その快感のおかげで苦痛が和らぐ。
白い液はクロノアとガーレンの腹部を温めた。
ガーレンはゆっくりと激しく腰を動かし、快感を貪っていく。
ガーレンは男と女の味を同時に味わっていた。だれにも真似することができない感覚を・・・・・。
体の中に熱い熱い雄の象徴が侵入してくる。
普通だったら進入される快感を味わうことは例外を除いて雄には出来ない。
しかしふたなりになってしまったクロノアは、進入し、進入される快感を味わうことが出来る。
さらに生殖機能が無いため、この体は快楽を貪るための体だといってもよかった。
抜いて刺して抜いて刺して。単純で誰にでも出来るような作業。
しかし単純であるがゆえに、生物の本能である行動は誰にでも出来るような仕組みになったいた。
単純作業とは裏腹に、得られる快感は何よりも大きかった。


ガーレンは腰を動かす。
クロノアの膣の中で大きな棒が暴れまわる。
小さな体の小さな穴の中に、大きな体の大きな棒は簡単に入れることができた。
血と2人の透明な液が潤滑油となったおかげであろう。
棒を出し入れするようになってから約30分ほど。
ガーレンの持久力は高かった。通常ならもっと短い時間で射精してしまうところだ。
初めてであるクロノアの体は、異物を排除するための機能が盛んに行われているが、
同時に快楽を与える作業も行われている。『締め付ける』ことがその代表だろう。
しかしガーレンはそれをものともせずに、快楽を貪っていた。口からは唾液がこぼれ落ちる。

一方クロノアは、意識が飛びかけていて、失神と覚醒のあやふやな間で漂っていた。
ふたなりである今のクロノアの感度は通常の何倍にもなっていた。
何度も何度も出し入れされるたびに、クロノアの棒は熱を持って、そして熱を放つようになっていた。
クロノアは嬉しそうに笑っている。今までにない楽しみと喜びを味わっていた。

「そろそろ・・・限界だな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「名残惜しいが、もう出さなければ・・・・・イキそうだ」
「わふぅ・・・・・はっ・・・・はぁ・・・・にゃ・・・・・!!」
「出すぞ。ワガハイの世界一の栄光ある種を受け取るがいい!!!」

そう叫ぶとガーレンの棒は、破裂した水風船のように、クロノアの体内で液を撒き散らした。
奥のほうで放たれたヤケドしそうなほど熱い液は、逆流するかのように穴から溢れてきた。
ビクッ・・・ビクッ・・・と、痙攣するたびに、ポンプのように液を放つ。
それと同時に、クロノアの穴からも透明な液を吹き出す。
二つの液は混じりあい、湧き水のように溢れ、ベッドを濡らしていく。
死んでしまいそうなほどの快楽が体を満たしていく。
しばらくのあいだ動くことが出来なかった。
初めて味わった快楽に溺れる。快楽の海の底まで沈んでいく。
年が離れている大人に抱かれる感触。犯される感動。
気持ちいい感情。初めて味わう感覚。たくさんの波に飲み込まれる。

棒を穴から引き抜き、仰向けに寝返りを打つ。そして横を見る。
「クロノア・・・・・」
「ん・・・・・なに?」
「感想は?」
「・・・・・・・・・わかんない」
「ならば・・・・・・気持ちよかったか?」
「すごく・・・・・・よかった。ねぇ? これで恩返しって終わりなの?」
「この程度で終わるはずが無いだろう。まだまだ・・・・もっともっと・・・・ワガハイを飽きさせるな」
「ん・・・・・それでもいいかもしんない」
「クロノア」
「なに・・・・・・ガーレン」
「ワガハイがお前を飼ってやろう。恩返しが終わるまでワガハイからは逃げられんぞ。
 そしてこれからはワガハイのことを『ガーレン様』もしくは『ご主人様』と呼べ」
「・・・・・・・・うん」
「もっともっと楽しませてもらうぞ」
ガーレンはニヤリと笑った。

おそらくガーレンはクロノアを放すことは無いだろう。
しかしそれでもいいとクロノアは思い始めていた。
一度快楽の海に飲み込まれてしまえば底から抜け出すことは出来ない。
ふたなりとなることで底なしの快楽を手に入れてしまったクロノア。

一生この体でいてもいいかもしれない。もしもガーレンが・・・・・・死んだり消えたりしたとしても・・・。
この体さえあれば生きていけるだろう。
雄にも雌にも愛されて、受け入れ、受け入れられ、進入し、進入される体。
ふたなりとなった今ではどんな手段でも生きていけそうな気がする。
こんな体にしてくれたことを感謝しなければいけない。
以前のような少年の体だったら何も起こらない不安定な生活だっただろう。
そして・・・・・ガーレンのようにボクの体を狙っている人も大勢いるだろう。
男のままだったらそのまま犯されているだろう。
でも・・・ふたなりになったことでそれを逆に利用してやる。
どんな理由かは分からないけど、多くの人がボクの体を・・・ボクを狙っているのならば
それを逆に利用して生きていく。奪われるだけじゃなく、それ以上に奪ってやる。
男からも女からも・・・・・どんな相手だったとしてもボクならきっと平気だ。
快楽に溺れることは、いけないことなんかない。
これからは好きなときに快楽を貪って生きていけるだろう。
ボク1人が全てを背負う必要なんか無い。好きなときに好きなだけ・・・・・・・・・。
ふたなりになったことで得られるものがあるのなら・・・・・・・全部手に入れてやる。

「・・・・・・・・・・・・シャワー」
「え?」
「シャワー浴びたい・・・・・どこ?」
「あ、ああ。部屋を出て、左に進んだところに・・・」
「服・・・。ボクの服はどこにおいたのさ? あれ気に入ってるんだから返してよ」
「風呂場の近くに服をしまっている場所がある。そこに・・・」
「ありがと。       ご  主  人  様 」

そう言うと、クロノアは服も着ずに裸のまま部屋を出た。
ガーレンは呆然とクロノアに魅入っていた。
クロノアの顔は怒りに満ちていたわけではない。嬉しそうに微笑んでいた、
天使のような微笑みだった。背中が寒くなるくらいの微笑みだった。
自分はもしかして取り返しが付かないことをしてしまったのではないのだろうか? ガーレンはふとそんなことを考えていた。

途中で服を見つけてそれを両手で鷲掴みにしたままシャワールームを目指す。
シャワールームにたどり着くと服を置いて、頭からシャワーを浴びる。
ふと、笑いがこみ上げてきた。体が震えてしまうくらいの笑い。
そこにあった大きな鏡で自分の姿を見たからだ。
胸がある。2つの性器がある。たったそれだけだ。
たったそれだけのことだけど・・・それだけのことが何故だかおかしかった。
それ以外はなんにも変わらない。いつもどおりの自分。何も変わらない自分。
ほとんど変わっていないのに・・・たったこれだけの変化が周りをひきつける。
異常だと拒絶されるのか。ガーレンのようにこの体に魅入られ、欲するのか。
相手にすらされないのか。今までどおりに相手をされるのか。
どんな風に扱われるのだろうか。それを予想するだけでワクワクした。
支配欲で溢れてくる。

「ボクの仲間。幼馴染。知り合い。家族。知らない人たち。知っていく人たち・・・。
 みんなみんな・・・み〜〜〜〜〜〜んな。       ボクが愛してあげるよ」

クロノアはそこにあった洗面器を手に取ると、鏡に向かって思いっきり叩きつけた。
鏡は割れて、破片の数だけクロノアを映し出す。


ふたなりである自分。二つの性質を持つ、3つ目の性別。
そのことがやけにおかしかった。 そうだ、気付いた。
みんなボクのことが好きだった。いろんな意味の好きだった。
いずれ近いうちに、みんなは手段を問わずにボクに愛を捧げてくるだろう。
だからボクも愛してあげなきゃいけない。みんな平等に、深く愛してあげなきゃいけないんだ。
ボクがいなければ何も出来なくなるくらいにね。

「わふっ・・・・ふふふっ・・・・・ははははははははははは!!」

ふたなりとなり、黒い瘴気で満たされてしまったクロノアには、もうなにも失うものは無かった。



END