「? どうかしたの?」
「いや…アニキ、1ヶ月前あたりから元気なさそうだったんで…」
「い、1ヶ月前から?」
クロノア自身は1ヶ月前からこうなっていたことに気づかなかった。
「1ヶ月前って言えば…ちょうどガンツさんが村を出るときだったっスね。
また喧嘩でもしたんスか?」
「え、いや喧嘩なんか全然してないよ。
それに喧嘩したとしてもここまで引きずらないし。」
会話の最中、クロノアはあのときのことを思い出していた。


このごろガンツは1ヶ月に1回のペースでブリーガル村を訪れていた。
しかし先月村を出るとき、彼は言った。
「次にここに来るのは6ヶ月くらい後かもしれねえ。」
「えっ、な、なんで?」
「オレが次に狙っている賞金首がとてつもない野郎らしい。
良くても大怪我の1つや2つは負うとさ。」
「そうなんだ…。」
「おいおい…そう暗い顔すんなよ!
絶対生きて来るから心配すんな!
それともオレの腕が信じられねえのか?」
「いや…信じてるよ。」
「そうか…まあそういうわけだ。
…じゃあな。」
「うん…。」

「(あれ以来、こんな状況だったんだな…。
自分でもちょっと前まで気づかなかったよ、チップル。)」


「(あのときガンツは言った。[絶対に生きて来る]って。
普段そんなことは全く口にしないガンツがそういうってことは、
本当に大変な相手なのかもしれない。
でもそれとこの気持ちはどういう因果関係があるんだろう…あっ!)」
クロノアはそれに気がついた。
「(これはガンツを探しにいけっていう、本能的な警告かもしれない…!
よし、そうと決まったらさっそく…
ってどこに行ったかもわからないじゃん。)」
振り出しに戻されてしまった。
「アニキ…こんなときに悪いっスけど、聞きたいことがあるっス。」
「はにゃ? 聞きたいこと?」
チップルから質問を持ちかけられることは滅多になかった。
「で、何? 聞きたいことって。」
「セイコウって何っスか?」
「セイコウ? 漢字でどう書くやつ?」
「性格の性に交わるって書くやつっス。」
「!!!」
クロノアは驚き、動揺した。


「ど、どこでそんな言葉を知ったの?」
「うーんと…覚えてないっスw」
そういいながら、チップルは苦笑した。
ほんとに知らないのかなあ…。
クロノアはちょっとチップルを疑った。
「と、とにかくそれを知るにはまだはy…
(でもこの気持ちがスッキリする方法がわかんないしなぁ…。
実演で教えても…)」
そう思った瞬間、クロノアは思いっきり首を振った。
「ア、アニキ?」
「(それはだめ! 絶対だめ! それだけは…。あれ? 今日って確か…)」
クロノアはもう一つの自我を抑えつつ、何かを思い出した。
「(今のタイミングはさすがにマズイっスね。)
…やっぱりこの質問はなかったことにしとくっス。じゃあ…」
そういってチップルは帰ろうとしたが、その腕をクロノアがつかんだ。
3秒後、クロノアは言った。
「…あのセイコウでしょ?
知りたいならうちに来て。教えてあげるから。」
クロノアはもう一つの自我に負けてしまった。


「え、アニキの家に行っていいんスか?」
「うん。」
「わーい! グルグルうれしいっス!」
チップルの笑顔を見て、クロノアも自然と笑顔になった。
「じゃあとりあえず家に書き置きしてくるっス。」
「わかった。あ、あと下着の着替えとパジャマも持ってきて。」
「? なんか泊まるみたいっスね…」
「うん。もしかしたら遅くなるかもしれないから。」
チップルは不思議に思いつつ、自宅へと向かった。

…5分後…

「書き置きしてきたっスよ〜!あとアニキが言ってたものも持ってきたっス!」
「オッケー!じゃあ早速ボクんちに」
「ルブルドゥ!っスね!w」
「コラコラ、人の言葉をパクっちゃダメだよw」
二人ともハイテンションであった。
そうこうしている間に、クロノアの家の扉の前に着いた。すると…
「あれ? 何スかこの貼り紙?」


その貼り紙にはこう書かれていた。
[本日、用事により不在です。ご用件等ございましたら、
クロノアにお願いします。 クロノアの祖父より]
「へえ〜。アニキんちのおじいさん、今日用事なんスね。珍しいっス。」
「その用事で今日は帰ってこれないから宿に泊まるってさ。」
あのとき、クロノアはこのことを思い出したのだ。
元々クロノアはじっちゃんにこれからすることがバレてしまったら
非常に気まずいと思っていた。
しかし今日は殆ど出かけることのないじっちゃんが不在。またとない好機だ。
こうしてクロノアはもう一つの自我に呑まれたのであった。


「おじゃましま〜っス!」
叫びながら、チップルはクロノアの家へと入っていった。
「うわっ!すごくキレイっスね…アニキの家!」
チップルはクロノアの家にくるのはこれが初めてであった。
興奮がとまらなかった。
「じゃあ、とりあえず2階のボクの部屋で待ってて。」
「了解っス!」
チップルは階段をかけ上がった。
「(ホントにキレイっスね…アニキの家。
床なんかグルグル滑…うわっ!)」
ふざけて滑っていたため、チップルはコケてしまった。
その内、クロノアが来た。
「おまたせ!」
クロノアは二枚の穴だらけの掛けぶとんを持ってきた。
「何に使うんスか? そのふとん…」
「これからセイコウを教えるための、まあ、一種の道具さ。」
「教えるって…実演っスか?」
「うん。」
「さすがアニキ!百聞は一見にしかずとは正にこのことっスね!」
あまりにチップルが無邪気なので、クロノアはこれからすることに
少々罪悪感を感じた。


「あ、そうだ。暑くなるから服脱いどいたほうがいいよ。」
「了解っス。」
チップルはグローブとヘッドギアを外し、シャツと靴下を脱いだ。
「アニキ、こんな感じっスか?」
クロノアの方を見る。
そのときクロノアはパンツに手を掛けたところであった。
チップルは気まずくなった。
「…全部…脱ぐんスか…?」
クロノアは顔を紅潮させながらうなずいた。
「(男同士だから別にいいっスよね…)」


クロノアは全裸になると、先程のふとんをベッドに敷いた。
「これから…どうするんスか?」
チップルは一部を服で隠しながらクロノアに聞いた。
「一緒にベッドに入るんだ。」
言われるがままにチップルはベッドへと向かった。
クロノアは二枚のふとんに挟まれる形で横になっていた。
「(これでいいんスかね…)」
不思議に思いながらふとんに入った。
「次はどうするんスk…んっ!?」
チップルはクロノアにいきなり唇を奪われた。


それは突然のことであった。
不意打ちのように一瞬の動きでクロノアは口づけをした。
クロノアは舌でチップルの歯肉を丁寧に舐め回した。
チップルはあまりにも突然のことだったので最初は
訳も解らずやられるがままにされていたが、
しばらくしたあとクロノアのそれに習い、舌でクロノアの歯肉を舐め回した。
「んん…ん…はぁ…っ…。アニキ…いきなり何っスか…。」
「ゴメン…つい抑えられなくなったよ。
まずはキスをするんだ。」
「次は?」
「相手の体に触れたり、触れられたりするんだそうするとここが
大きくなってくる。最大になると面白いことが起こるんだよ。」
「それがセイコウっスか?」
「いや、本来のとはちょっと違うよ。
本来のものを知るにはまだチップルには早いよ。(まあこれでもまだ早いけど…)」
説明は以上、とばかりにクロノアは今度はチップルの胸に顔をうずめた。


「わっ!?」
「チップル…ボクの耳…撫でて…。」
「撫でるって…こうっスか?」
「アアッ……イイ……イイよチップル…」
「アニキって耳を撫でると変になるんスか?」
「うん…アッ…触れられると変になる場所はね…
アアッ…セイカンタイって言うんだ…。」
「自分にもあるんスか?」
「もちろん…誰にだってあるよ…アッ」
そう言うと、クロノアは顔を擦り付けた。
「アッ……変になってきたっス…ここもセイカンタイなんスね…アアッ…」
「変になるけど…気持ちいいでしょ…?」
「そうっスね……アアッ」
「でもまだこれは序章だけどね……イッ」
クロノアはチップルの胸から顔を離した。


「チップル…ちょっと体をあっちに向けて…」
「いいっスけど…何するんスか?」
「もっと気持ちイイこと…。ちょっと痛いけど…それでもいい?」
「いいっスよ…」
チップルは体を向こうに向けた。
クロノアはチップルの穴に指を入れた。
「!!!」
「痛いから注意してね…」
「うわあああああああああああっ……」
チップルは叫んだ。
クロノアは入れた指を回す。
クチュクチュと音を立てた。
「痛だだだだだだだだだだだ……気持ちイイっス……痛た…」
チップルは涙声になりながら言った。

しばらくその状態が続いたあと、クロノアは言った。
「そろそろ抜くよ…」
クロノアは指を引き抜いた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ…!!!」
チップルに凄まじい痛みと快感が走り、若干血も出てきた。


「チップルもボクに同じことしていいよ…」
「え…でも痛いっスよ…」
「大丈夫。心配しないで…」
そう言うと、クロノアは向こうを向いた。
「じゃあ入れるっス…」
「うん…あああああああああっ…イイ…」
「こうするんスかね?」
「そう……まにゃあああん…もっと…もっと激しく…」
「わかったっス。グルグル回すんっスね。」
「まにゃあああああああああああああああ……イッちゃいそう…」
「気持ちイイっスか?」
「うん…最高…アアッ」

「そろそろ抜くっスよ…」
「うん…アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…!!!」
チップルと同様に、凄まじい痛みと快感がクロノアの体を走った。
「アニキ…自分が指回してたときの声…すごくカワイかったっスよ…」
「ありがと…今の声はね…アエギゴエって言うんだ…」
「そうなんスか……ん?」
チップルは自分のモノが奇妙なことになっているのに気がついた。


それは先端がピンク色になり、ものすごい長さになっていた。
「(コレのこんな姿…見たことないっス。)」
「チップルのソレ…大きくなったね…そろそろ仕上げかな♪」
「し、仕上げ?」
クロノアはチップルのソレを舐め回した。
「アアアッ……イイっス…あれ? …な、何か飛び出そうっス! ……アッー!!!」
チップルのモノから勢いよく白濁した液体が射出された。
クロノアの顔にも若干かかってしまった。
「だ、大丈夫っスか!?」
「平気平気。大丈夫だよ。」
「それはよかったっス……それにしても何っスかこれ?」
「ああ、これはセイエキって言うんだよ。
…ボクのもそろそろ出そうだよ…チップル舐めて…」
「了解っス。」
チップルは丁寧にクロノアのモノを舐め回した。
「そろそろ出るよ…チップル……アッー!!!」
クロノアも勢いよく白濁した液体を射出した。


二人はそのまま果てた。
「これがセイコウ…疲れるっスね。」
「うん…でも気持ちよかったでしょ?」
「そうっスねww」
「うんww …ところで今何時かな?」
クロノアは時計を見た。
すでに夜9時を回っていた。
「わっもうこんな時間…」
「書き置きしたから大丈夫っスよ。」
「あ、そうだったねww お腹空いてる?」
「いや全然っスよ。」
「じゃあ一緒にお風呂にでも入ろうか。」
「そうっスね。…でもこのふとんどうするんスか?」
「あ、実はコレ捨てるふとんだったんだ。」
「さすがアニキ!片付けのことを最初から考えていたなんて!」
「はははww じゃあ先に入っといて。
このふとんをゴミ袋に詰めたらすぐ行くから。」
「あ、でも…」
「何?」
「二人一緒だと…また何かしそうっス。」
「じゃあそのときは抱きしめたりキスしたりして抑えてあげるよ。」
「あ、ありがとうっス。」
そう言い残し、チップルは風呂場へと向かった。

-END-


==あとがき==
総合的にエロシーン短くてごめんなさい。
後から気づいたことなのですが、冒頭の構成が801の「MOONLIGHT」に
被りに被ってますね…
パクるつもりはなかったのですが、本当に申し訳ございませんでした。

実は第二部も考えたのですが、初心者なのとエロシーンがほぼ皆無なので
ボツにしました。
内容は具体的に言うと
「まさかのガンツ乱入による淡いガンクロとガンチプ」
です。